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気がつくと、そこは暗闇だった。辺りには何も見えない。
手足は椅子に縛られて、口にはテープで塞がれており、身動きがとれずにいた。

(なんでこうなってしまったんだろう。)

私は今朝のことを振り返った。




私の名前は椎名 真奈美(しいな まなみ)。中学3年生。

午前7時頃、私はいつものように学校へ向かっていた。今日もいつものように
平凡な一日を送ると信じていた。

だが、その願いは、もろくも打ち砕かれた。

学校に行く途中、私は近道をしようと普段はあまり歩かない人気のない道を歩いた。
そこの通りは不気味と人が通らなかった。

私は、その通りにあった廃ビルを横切ったときに後ろから誰かに身体を捕まれ、
鼻に変な臭いのするものを嗅がされた。

それにより私は意識を失った。
そして何時間かわからないが、私はこの真っ暗な場所で椅子に座ったまま身体を
固定され、拘束されていた。

そのとき・・・・・・。

部屋の明かりが急についた。
それにより私は周囲を確認することが出来た。

目前には大きな鏡やテーブル、多目的棚が無造作に置かれていた。
そして、あちこちには注射器、ビーカー、風邪薬のような錠剤やカプセルが散乱していた。

「へへへ。目覚めたようだな、お嬢ちゃんよ。」

部屋の扉が開き、40~50歳くらいの中年男性が現れた。
男は白衣を着ており、研究者のように見えた。

「悪いが、お嬢ちゃんには、これから実験体になってもらうよ。」

男は注射器を取り出し、私の腕をつかみ、それを注射した。

チクッ!!

「むぐっ!!」

私は一瞬、痛みを感じたが、すぐにそれは収まった。
男はニヤリと笑いながらその注射器の中にある血液を取り出して棚に置いてある
ビーカーに入れた。そこに不気味な紫色の液体を入れ、混ぜ合わせた。

混ぜ終えると、それは人間の血よりも鮮やかな赤い色に変色した。それを再び
注射器の中に入れて男は腕を捲り、注射する。

すると・・・・・・。

「ぐあああああああっ!!」

男は、もがき始めたのだが、すぐにそれは収まった。それに伴い、男の身体が
変形していく。顔や手足、胴体が女性のように変わっていく。髪は私と同じくらいの
長さになり、肌はつやつやした肌に変わっていった。

数分後、男の身体は完全に変わった。
男の姿を見た私は驚愕した。その姿をみて言葉を失った。

そこには男の姿はなく、少女・・・・・・・私が立っていたのだ。
私はどうなっているのかわからず、混乱した。

「ぐふふ、どうだい、驚いただろ!俺はお嬢ちゃんの姿に変身することに成功したんだ。」

男は姿だけでなく、声までも私の声に変わっていた。

私はそこにいるもう一人の『私』を呆然と見つめていた。

「ふふふ、驚いているみたいだな。今からお嬢ちゃんに成りすまして学校に行くから、
お嬢ちゃんはココで大人しくしててね。」

その『私』はそう言うと、私の手首を縛っている紐を切り、私の着用しているセーラー
服、下着を無理やり脱がせた。それが終わると、『私』は先ほどとは違う注射器を私の
腕に注射した。すると、身体が固まったように全く動かすことができなくなった。

「ふふふ、これでお嬢ちゃんはしばらくは動けないね。」

『私』は服を脱ぎ、裸になって、私の着用していた下着、セーラー服を身に着けた。

私の目前にはセーラー服を着た『私』が立っていた。
『私』は鏡をみていろいろなポーズや表情をつくっていた。私に完全に成りすます
ための練習だろうか。それが終わると、再び私の方を向いた。

「・・・・・んうんっ・・・・・・どう、私の姿は?どうみてもあなたに似てる
でしょ、椎名真奈美ちゃん!!」

『私』は私の口調を真似て言った。

「あなたがそこで寝ている代わりに私があなたの代わりに学校へ行ってあげるわね。
ありがたく思いなさい!!」

(だっ、だれが・・・・・あんたなんか・・・・・・・・はやく、私を帰してよ。)

私は『私』を睨み、口にして言おうとしたが、言えなかった。
口がテープで塞がっているのもあるが、先ほど変な薬を注射されたことにより
口を動かすことが出来なかった。

「ふふふ。何か言いたげな顔ね。でも、残念ね。あなたはずっとそこで
じっとしてなさい!それで私が帰るのを待ってなさい。・・・・・まぁ、もしかしたら、
このまま、あなたに成りすまして生活してて忘れるかもね。そのときは自力で
なんとかしてね、無理だと思うけど・・・・・。ふふふ。じゃあね、椎名真奈美ちゃん!!」

『私』はそう言い残し、私の鞄を持ち、その場を去った。

『私』は私に成りすまして学校の友達や先生、家族、兄弟、その他の多くの知り合いに
対して何をするのだろうか。

私には想像もつかなかった。ただ、良くないことが起きるのは確証していた。

本物の私がココに閉じ込められているということを誰も気づいてくれないだろう。
私は心に深い悲しみを負った。

『私』が去るとともに部屋の明かりが消え、再び私の前に静寂でどこか不気味な
暗闇が襲った・・・・・・。

私の存在はもう一人の『私』によりかき消された・・・・・。


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