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私は私に変身し成りすました偽者により廃ビルにある薄暗い部屋に監禁されていた。
さらにそのもうひとりの『私』に犯され、心にすごい傷を負わされてしまい、
気力を失っていた。

(誰も助けに来てはくれないだろう・・・・・。)

私は心の中で何度もその言葉を繰り返した。

夕方頃だろうか。
部屋のドアが開いた。どうやら『私』が学校から帰ってきたようである。

(またこの偽者によって酷いことされる・・・・・。)

私は恐怖のあまり目を閉じ、もうひとりの『私』の顔を逸らそうとした。
私と同じ顔、姿をしたその悪魔から少しでも逃れたかったのだ。

目を閉じたまま、その場を動かないようにした。すると急に手がつかまれた。
また私に酷いことをするのだろう・・・・。

「真奈美ちゃん・・・・・。」

そのとき、どこか懐かしく優しい声が聞こえた。それは私の恐怖心をいっせいに
取り払っていた。

私は目を開ける。
すると、そこには私の友達の今井明美の姿があった・・・・・。

「助けにきたよ、今すぐ一緒にここをでよう、真奈美ちゃん。」

『助けにきたよ』、それは私が長い時間の中で待っていた言葉だ。
その言葉を永遠に聞くことはないだろう、と私は心の底から絶望していたのだが、
まさか、このとき聞けるとは思ってもいなかった。

私は突然のその救いの言葉に暖かさと温もりを感じ、私は心の底から嬉しさが
込み上げてきた。

「あ・・・・明美ちゃんなの?」

「そうだよ。真奈美ちゃんを助けに来たの。」

「でも、なんで?」

「私もあの男にここに連れてこられて監禁されてて、あの男の目を盗んで
ここまできたの。時間はないから早くこの建物からでよう。」

「う・・・・うん・・・・わかった。」

私と明美はこの部屋をでた。明美が私の手を引っ張り、入り口まで誘導する。

「さぁ、急ぎましょ。早くでないとあいつに見つかってしまう。」

「うん。」

私たちは入り口の扉を開けて外に出た。
外はもうすで夕暮れになっており太陽が西の空に沈みかけている。

私たちは全速力でその建物から離れて遠くにある公園まで移動した。

ベンチに座り身体を休める。

「はぁ・・・・はぁ・・・・・。ここまでくれば大丈夫ね。」

「う・・・・・うん・・・・ありがとう・・・・・はぁ・・・・・はぁ・・・・。」

私たちは呼吸が乱れ、かなり疲れていた。
しかしながら私はあの廃ビルから脱出することに成功し、あの男の呪縛から解放された。
私はこの思ってもいなかったこの状況にとてつもない喜びを感じていた。

それから私たちは少しそこで休憩してもう遅いので家に帰ることにした。

「じゃあ、また明日学校でね。」

「うん、助けに来てくれてありがとう、明美ちゃん。」

そうして私たちは解散した。

私は家に戻り中に入ると、なんとも懐かしいような空間がそこに広がっていた。
こんなにも自分の家が恋しくなったのは初めてかもしれない。私は自分の部屋に
行きベッドに横たわり、くつろいだ。

そうして私はいつもどおりの日常を取り戻すことができた(ように見えた)・・・・・・。

次の日、私は前と変わらぬ平凡な朝を迎えていた。
いつもの幸せな日常が始まるのだ。

私は制服のセーラー服を『私』にそのまま奪われたため、予備の分の制服に着替え、
学校へ登校した。

私はあの廃ビルがある近道を通らずにいつもの道を歩き、学校へ向かった。

(あそこには二度と近づきたくない。)

私は心の中で呟いた。

しばらくして私は学校に無事に着き教室に入ると後ろから声をかけられた。

「おはよう、真奈美ちゃん。」

明美が挨拶してきた。

「お、おはよう、明美ちゃん。昨日はありがとうね。どう感謝していいのか・・・・。」

「いいよ、感謝なんて。それよりも今日うちに遊びに来ない?」

「うん、行くぅっ!!」

私は帰りに明美の家に行くことになった。

その日、私は授業を受け、友達と昼食を食べたり、話したり・・・・・・と
幸せな学校生活を送っていた。

そうしていつの間にか時間が過ぎていき私は明美と一緒に帰り、明美の家に向かった。

しばらくして明美の家に着いた。

「さぁ、あがって。」

「お邪魔しまーす。」

親は外出中らしく気配が全く感じられなかった。私は明美の部屋に入り、
くつろいだ。明美がお茶を用意した。

「昨日はありがとう。まさか助けに来てくれるとは思わなくて・・・・・。」

「いや、友達として当然だよ。それよりもあそこのビル、今度取り壊されるらしいよ。」

「え、ほんと?」

「うん、今朝ニュースに入ってたよ。」

あの忌々しい廃ビルは来月取り壊されて新しい建物をつくるらしい。
私はそのことを聞いて心がスッキリとした。一刻も早くあの悪夢を忘れるために
はちょうどよかったかのかもしれない。

私はあの廃ビルの取り壊しを心から望んだ。

「早くすべて忘れ去りたいよ。」

「そうだね。でもあの男ってどうなるんだろ?まだあそこにいるのかな?」

「私や明美ちゃんに酷いことしたんだから、ああいうふうになって当然よ。」

私はあの男に対する怒りや憎しみを言葉にした。
すると、明美は・・・・・・。

「そうね、当然よ。だけど、あそこに連れ去られたおかげで私たちの絆って
深まったって思わない?」

「まぁ、それはそうだけど。」

「そう考えれば、なんだかラッキーなことじゃん?ねっ、真奈美ちゃん。」

明美は妙にポジティブだった。
まるであの事件があって良かったといわんばかりに・・・・・。

「せっかくだから二人でその絆をまた分かち合いましょう。」

「・・・・えっ?」

明美は突然、変なことを言い出し、私の身体をつかみ、ベッドに押し倒した。

「なっ、なにするの、明美ちゃん?」

「むふっ。これからもう一度真奈美ちゃんとの絆を深めようと思うの。
いいよね、真奈美ちゃん。」

「だめっ、なにするのっ、やめてっ!!」

その言葉も空しく私の口に明美の口がくっつきキスを交わした。

「んはっ、おいしいっ。やっぱり真奈美ちゃんの唇っておいしいわっ。
もっと俺にくれ、ぐふふ。」

明美が突然、下品な声で笑い出し、私の口に何度も迫った。
私は明美が自分のことを『俺』といっていたのをハッキリと聞き取れた。
私はその瞬間全身に寒気が走った。私の脳裏にあの悪夢が過ぎった。
もしやと思い、私は恐る恐る尋ねた。

「・・・・・あ、明美ちゃんだよね?」

「うん、本物の明美だよ・・・・・。」

明美はそう答えた。私は一瞬でもその言葉に安心してしまった。
だが・・・・・・。

「ふふふ、冗談だよ。本当は私は明美ちゃんじゃないの。本物はまだあの
建物の中にいるよ。ぐへへっ。」

私は思っていた悪夢が現実に起きようとし全身が振るえ身体が凍りつくほど
寒気に襲われた。

「・・・あああっ、まさか。」

「ふふふ。考えてみなさい。今までおかしいと思わなかった?」

そこにいる『明美』は不気味な笑みを浮かべながら言った。

確かにそう言われるとそうである。
あの建物から脱出するときにおかしいと気がつくべきだった。

「ねぇ、どうだった?私の演技は?あなたのお友達の明美ちゃんそのもの
だったでしょ?ふふふ。」

確かにこの『明美』は本物の明美そっくりで今まで何の違和感もなかった。

「本物の明美は自分に気づいてもらえず、まだあの建物の中にいる。
哀れだね。ふふふ。」

「どうして私をワザワザ助けたの?」

「ふふふ、ちょっとした実験だよ。周囲から見て完全に成りすましているのか
試したかったってわけさ。」

「そ・・・・・そんな・・・・・。」

その言葉に私は落胆した。私はすぐにその場から逃げようとしたのだが・・・・・。

ゴグッ!!

「うぐっ・・・・。」

『明美』は私の腹に拳を一発与えた。それにより私は気絶した。


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