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「む、なんだ・・・!急に霧が出てきたな。畜生、辺りが見えねぇ」

突如、霧が発生したことにより次夫は周囲の様子を見渡すことが困難になった。

「そこまでだ!!」

「ん?だれだ?」

霧の向こうから男の声がした。すると急に霧が晴れ目の前に全身黒タイツを身に付けた
20代前半程の男が現れた。

「誰だ?貴様は・・・・」

「僕は通りすがりの正義のヒーローだ。名前はまだない!」

名無しの20代男は無表情でポケットから何かを出す素振りを見せたがティッシュで鼻
をかんだだけだった。(かんだ紙はゴミ箱がなかったのでその辺に捨てた。)

彼は『真面目太郎』のときのように特に身分証明書は見せなかった。おかげでどこの何
者なのか・・・・全く分からなかった。

「僕は悪人が大嫌いなんだ。だから貴様のような悪党は仮にフィクションの中でも許せ
ない。僕はここでお前を倒して事件が起こる前にこの物語をハッピーエンドにさせて
やる!」

「何を訳のわからないことを・・・!俺の邪魔をするな!」
次夫は男に向かって顔面にパンチをした。
「うっ、うわぁぁああああ!!!」
「ケッ。あいつ(真面目太郎)みたいに何かすると思ったが大したことねぇーな。これ
で止めだ!」
「あはは。それはどうかな・・・?周りをよく見てみろよ」
「なに?」

周りを見てみると彼と同年齢くらいの全身黒タイツを身に付けた男が30人ほど彼ら
の周りを囲っていた。
「なんだ?こいつらは?」
「ははは。驚いただろ?こいつらはSNSで知り合った仲間だ。お前を倒して正義のヒー
ローになってやるんだ!」
「なんだと!ふざけやがって!」

「お前ら、遠慮せずやってしまえ!こいつを倒せば僕らは正義のヒーローだぞ!!」
「おおおおお!!!」
すると周りを囲っていた30人の男は次夫に襲いかかりパンチやキックを繰り出した。
ひとりひとりの戦闘力は低いが集団で徒党を組むことによって強大な力を発した。

「ぐああああ!!」
次夫は為すすべもなくすぐにその場に倒れた。

「ははは!30人が1人に勝てる訳ないだろ?正義は勝つ!!絶対にな!!」
男は次夫から銀色の腕輪と財布を奪った。
「これが最近噂に聞く銀色の腕輪か。これで可愛い女の子と身体を交換できるんだな。
こんなに醜くくて不細工な姿では『正義のヒーロー』としてあまりイメージがよくない
から是非ともこれを使わせて美少女になってやるぞ」

彼はニヤニヤと笑みを浮かべ銀色の腕輪をポケットにしまおうとした。
だがそのとき・・・・彼らの周りにスポットライトが当たった。
「な、なんだ?これは!!」

『警察だ!君たちは既に包囲されている!大人しく投降しなさい!』
・・・・彼らは全員警察に捕まった。
重傷を負った次夫は救急車により病院に搬送された。




『少女』は警察に通報したあと、遠くでその様子を沈黙しつつ眺めていた。
そして『銀色の腕輪』は誰もいなくなったときに速やか回収しその場を去っていった。

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